問題解決
企業を取り巻く経営環境に、急激な変化が起きています。この世界的な大激変が、多岐に亘る深刻な問題を次々と発生させて、経営トップを苦境に追い詰めているのです。これは過去、現在、未来という時間の流れで捉えられるような緩やかな変化ではありません。未来が現在を呑み込みに来るという大激変の波に、世界中の企業が脅かされているのです。
この変化は、今や過去からの常識や体験により、あらかじめ想定される可能な範囲を遥かに超えています。従って、これまでの近代的経営論から生み出された客観的分析思考に基づくマネジメント手法を単に外部から導入しても、未来に備える新たな対策を生み出すことは、極めて困難な状況にあります。加えて、組織文化や問題の本質が異なる企業に対して、同一の論理を応用し、汎用性を発揮して成果を幾度も再現できる合理的な経営手法を以ってしては、多様化する現代社会に於いて、既にその有効性を否定せざるを得ないのです。
この経営人間学講座では、異なる企業内部に於いて発生する多岐に亘る複雑な現代の多様な諸問題を抜本的に解決し、未来に向けて新たな価値を創造するために、抜本革新マネジメントセミナーを開催して参りました。問題の本質を解明し、その抜本解決により新たな価値を創造する具体的成果と、その為に必要な経営資源は、すべて組織内部に存在するというおごそかな事実が認められます。そこに於いて組織内部の創発性を引き出す思考力を体得するために、価値観による経営(バリューマネジメント)を学習する必要性が、企業経営者と経営幹部に対して急務に求められているのです。
イノベーションという言葉を創出し、社会に提唱したのは、オーストリアの経済学者であるシュンペーター(1883~1950)です。彼は1912年に「経済発展の論理」を通して、環境の激変に対応する為には、現状を打破しなくてはならない。それを実現するものが破壊による新たな価値創造にあるとして、企業に於けるイノベーションを提言しました。そのイノベーションの本質とは、これまでの近代経営論による客観的・分析的なオペレーションマネジメントではありません。
客観的分析とは、自分自身と目前の対象である両者は、区別された存在であると分離的に捉える思考技術なのです。従って、その対象を共感的に受け容れることはできません。批判的に捉えてしまうことになります。その結果、組織の問題、顧客の問題を、自分自身の問題として当事者意識をもって受け止める事ができず、責任性を欠如させた不充分な成果にしか到達できないという限界が生じます。この思考では、顧客に深い感動を与える程の新戦略策定と実働は不可能となります。無責任な評論とリスク計算に陥ってしまい、自分自身が当事者としてすべての責任を最後まで完遂できないからです。
この経営人間学による抜本革新には、3つの特徴があります。第1には、自己の価値観の問題点を、抜本的に解決することが課題となります。それが即ち、所属する社員の客観的分析思考である価値観の抜本的転換を図る全社的「自己革新」の実現に他なりません。この自己革新により、自分自身の内部世界に於いて、心から尊敬できる自己を見つけることが可能となります。自己の尊厳性の価値を発見した人にして初めて、強い責任観に基づき、企業の問題を主体的に捉える当事者意識を確立させることができるようになります。この自己の成長を確信できることが、真の社員満足度要因の充実につながるのです。
第2にこの抜本革新では、これまで概念化できなかった組織が内包させている悪質な問題の特定と、その問題の課題化が容易に可能となります。自己革新を果たす優秀な人材が、当事者意識に基づき組織の問題を特定できたときに、問題は意味嫌うものではなくなるからです。むしろ問題の抜本的解決を通して、新たな価値を創造する原資として捉え直すことができます。この抜本革新による問題解決のプロセスに於いて、深い顧客満足を達成させる結果へとつながるのです。
第3には、抜本革新を目指す優秀な人材が、部門を横断してチームを結成し、システム思考を駆使した問題解決に挑戦することで、戦略上の新機軸を次々と創出する仕組みづくりに進むことができます。その上で、更にイノベーションを積極的に創発し、非連続変化と創造的破壊を間断なく継続する価値観によるマネジメントシステムを、社内に構築することが可能となるのです。
今日、未来創造のために新たな戦略を打ち出す構想力と実行力が、すべてのビジネスリーダーに求められています。それを実現するプロセスが、経営人間学講座による「抜本革新」のためのプログラムであり、そのポイントは以下の通りです。